こんにゃく体操について

『疲れがスーっと消える! 超脱力こんにゃく体操』(講談社 1260円)

筋肉が元気になる! からだをほぐす50の体操

こんにゃく体操は、身体の筋肉や関節の周りを緩める筋トレです。力を抜いて行う筋トレなのです。

 

キーポイントは脱力です。
これは、やみくもに全身の力を脱力するわけではありません。
余計な力を抜くのです。

余計な力とは、無意識のうちに身体に入っている力。それは身体の固いところです。(筋肉が力こぶのように固まっているところ。)症状としては、立っているだけで腰がいたくなる、とか。肩甲骨が背中に埋まっている、とか。肩こりも筋肉に力が入って固くなったままの状態ということです。

そのほか動いたときに生じる余計な力もあります。たとえば、何かしようとすると(身体を動かそうとすると)つい肩に力が入ってしまう、とか。バランスが悪くていつも脚に力がはいっている、とか。

余計な力はすべてからだへの負担となります。

負担がかかるとどうなるか?

その部分はがんばってます。→力がはいります。→筋肉は縮みます→固くなります。→固さは身体に残ります→筋肉が縮んだままになってます→凝りになります

マッサージに行けば、一時的にそのコリは緩和して楽になります。でも、やはり一時的に楽になるだけです。なぜなら、硬くくなったところを柔らかくするだけだからです。

変なところに力が入って姿勢がゆがんだり崩れたりしないように、身体の土台となるところを鍛えなければ腰痛や肩こりは繰り返されるのです。

こんにゃく体操の様々な動きは、すべて肩の力、歪み、ねじれ、バランスに気をつけながら行います。本人だけでは自分の動きのクセをなおすことはできませんから、指導者がそのあたりを見ていきます。余計な力が入らないようにうごくと、身体の奥深くの筋肉(インナーマッスル)が使われて、想像以上の筋トレになります。肩や脚の力で動かないようにすると、一番大切な身体の内側の筋肉が鍛えられるのです。だからこんにゃく体操は筋トレです。

 

ここでいう「筋トレ」というのは、歯を食いしばってトレーニングすることではありません。           余計な力を抜いて正しく体を動かし、それと同時に筋肉が元気になっていくことです。

力を抜く。脱力する。正しく脱力するには技術が必要です。
僕は、必要のない力だけを脱力することが『超脱力』だと思っています。
それは、人の体を楽にします。痛みを和らげます。疲れをとります。
立居振舞いを優雅にします。姿勢を良くして、歩き方まで美しくなります。

僕が本気で指導いたします。どうぞ、いらしてみてください。

 

この「こんにゃく体操」は演技、歌、ダンスなど表現活動の身体訓練としても活用されています。      

まずは、ウオーミングアップの体操として役立っています。             

演技・ダンス・歌・楽器演奏などは身体がカチカチではできません。これは経験のあるかたならだれでもわかると思います。カチカチの固いままだと自分の思ったように動かないし、声もでません。そして演技や表現に集中していくことができません。この体操は日ごろの身体の緊張をほぐし、関節を緩め、動きやすい身体にコンデションを整えることができます。

次に「感情を開放する身体」を作るということ。

演技・歌・ダンス・楽器演奏など表現活動の元にあるのは「感情表現」です。それは「開放された身体=リラックスした身体」によってできるものです。人前に立つとどうしても緊張してしまい、身体に力がはいってしまうことは誰でもあります。それはクセです。人前でもリラックスできる身体をつくることができます。

そして、身体作りです。

こんにゃく体操は余計な力を抜きながら身体を動かします。余計な力はほとんどが身体の外側(表層の>筋肉です。その力をいれずに身体の要所を動かすとその奥の筋肉(インナーマッスル)が使われます。それが筋トレです。そして、力を抜きながら動かすことで、バリスティックストレッチングのような役目を果たします。その結果筋肉は柔らかくなり、関節の可動域も広がります。身体身動きが柔らかく、かつ強くなり、品のある動きを可能にします。適格な重心の移動ができるようになり身動きが軽くなりテンポがよくなります。身体に軸ができて立ち方がよくなります。呼吸が深くなり声が響くようになります。他にも動作に幅がでて、そして何より、思考が柔軟になります。表現することがとても楽しくなります。

 

 

こんにゃく体操!

全身の力を抜き、ゆらゆらと体を動かす様子が「こんにゃく」を連想させることから名付けられたこのユニークな体操は、昭和24年、東京芸術大学で体育教官を務めていた故・宮川睦子名誉教授が開発しました。同大学で必修科目として教えられ、退官後も演劇・舞踏・声楽・演奏など幅広い分野の人達に指導されました。
このこんにゃく体操の効果は多岐にわたり、全身をほぐしていく動きは内臓の働きや血行を良くします。肩こり、腰痛、頭痛、不眠が改善されたという方はとても多くいらっしゃいます。
また、同時に筋力がバランスよく鍛えられ、運動不足も解消されます。激しい運動ではなく、老若男女、その人に合わせて無理なく行える体操です。

私の「こんにゃく体操」
僕(畠山真弥)は元東京芸術大学名誉教授の故宮川睦子さん、宮川先生がお亡くなりになったあとは大沢喜代先生に、この「こんにゃく体操」を教わりました。きっかけは、劇団文学座の養成所です。その当時宮川先生は78歳でいらっしゃいました。そこではこの体操が俳優の肉体訓練のレッスンでした。養成所を卒業し、、宮川睦子先生は阿佐ヶ谷のご自宅一階の稽古場でこの体操を週2回レッスンしていると知り、そこに通わせていただくことになりました。今現在の「三鷹こんにゃく体操教室」はこの宮川先生の自宅稽古場で行われていた教室が場所を移したものです。(当時から一緒にやっている人たちは、今もそのまま「三鷹こんにゃく体操教室」でやっています。ですから、ベテランがたくさんいるわけで、初めていらっしゃるかたにはうってつけではないでしょうか。見よう見まねでやっているうちに体は自然にほぐれちゃいますからね。)
当時も「こんにゃく体操」と呼ばれていましたが、僕たちは養成所の時から「宮川体操」と呼んでいました。このユニークな「こんにゃく体操」という名前は東京芸術大学で教えていらっしゃった時に、芸大の学生たちが名づけたそうです。(掲載誌からのページにあります新聞記事をご覧ください。)
宮川先生がお亡くなりになったあとは、大澤喜代先生がこんにゃく体操教室を引き継がれました。大澤先生は宮川先生の古くからのご友人であり、こんにゃく体操の稽古場では宮川先生のよきパートナーといった感じでした。大澤先生は長く高校で体育の教師をされていて、また舞踏もやっていらっしゃったそうです。いくつかの劇団養成所でも教えていらっしゃいまいた。大澤先生と宮川先生のご自宅稽古場(阿佐ヶ谷)ではじめてお会いしたとき「50代半ばくらいの方かな?」と思っていました。宮川先生と同じようにお手本を見せてくれて、いつもすがすがしく、また気さくな方でした。10年くらいたってから、先生にお年をお聞きしたら「84よ。」と軽くおっしゃいました。びっくりしました。考えてみると、はじめてお会いして僕が「50代半ばくらいかな?」と思っていたときは、すでに70歳を超えていらっしゃった、ということになります。

僕個人は宮川先生、大澤先生の他に、黒田浩一先生、武田茂先生にも教えていただきました。黒田さんは芸大をお出になられて、大学や専門学校などで音楽、こんにゃく体操を教えていらっしゃいました。武田茂さんは大澤先生とともに文学座の養成所などでこんにゃく体操を教えていらっしゃいました。今現在(2012年)は「こんにゃく座」という劇団で活躍中です。
みなさんに教えていただいたものを、自分を通して、多くの方に経験してもらいたいと思っています。


こんにゃく体操の内容をざっとご紹介します

こんにゃく体操を次の4つに分類してみました。 

●身体をささえるための体操・・・自分自身で自分の身体をささえるための体操             

●身体をほぐすための体操・・・他の人を頼らないで、自分で自分の身体をほぐすための体操       

●身体に軸をつくるための体操・・・歪みをなくし、姿勢のいい立ち方をつくるための体操        

●動作の幅を広げるための体操・・・関節の可動域を広げ、身体の動きをのびやかにするための体操   

ご紹介しているものは一部ですが、他にストレッチなども行います。(日本ストレッチング教会認定ストレッチングトレーナーセルフ資格取得済)

●よく使う言葉・・・「重心は仙骨の前」「スカァーっと立つ」「みぞおちから流れる」「脚のつけ根、ひざ、足首、床の中へ」「肩の力をぬいて〜」

 

 

 

↑ぶらぶら・・・体を上下に揺さぶってほぐします。飛び跳ねるというよりも体の中身をゆさぶるイメージです。肩甲骨を背中から浮かすようなイメージです。全身が一気にほぐれ、体がリセットされます。全身の血流もよくなり、体も暖まります。

 

↑たてひざ(これは、こんにゃく体操の代表的な体操です。)
床にバスタオルを敷いて、その上に仰向けにねます。立てひざになって脚を左右に交互に倒します。脚を倒すたびに背中、腰がたるんでゆるくなります。ほぐれていきます。結果として、腰や背中が伸び伸びとします。これはとても気持ちいい動きです。デレンデレンと声をだしながらやったり、歌を歌いながらやると楽しさ倍増です。だらしなくやるのがコツです。

 

↑大きいたてひざ
上記のたてひざの大きいバージョンです。肩のまわり、肩甲骨のまわりなど、広背筋がほぐれます。ふつうの立てひざに慣れてきたらやってみましょう。

 

 

 

 

 

 

↑じゅんじゅんにねる~  
脚をのばして座ります。そしてお尻から順々にねていきます。胸や肩、首の力がぬければ、その分腹筋が働き良い運動になります。ハミングしたり、息を吐きながらねていきます。「バタン!」とねるのではなく、おしりから順々に、です。そのまま寝たくなっちゃいます。

↑もじもじ
脚を前に伸ばして、モジモジします。からだを左右にくねくねさせて背中をゆるめます。だいの大人がみんなそろってモジモジするのはおもしろいです。

 

↑うしろごろん
丸くなって後ろにゴロンとでんぐり返ります。前にもゴロンともどります。背中がすっきりします。体の中身も動かされ、血流もよくなります。背も伸びます。息を止めないでやるのがコツです。


 

↑ふわっと前にたおす
脚をまっすぐ前に伸ばした状態から、おなか→胸→頭の順に前にたおします。シーツをベッドに広げるようにふわっとした雰囲気で。

↑前をひらく、おなかを開く
(骨盤の前傾・・・こんにゃく体操やストレッチの基礎となる動きです)
立っておこないます。お尻の骨(坐骨)をちょっと突き出すようにして骨盤を前に傾けます。前側のろっ骨から骨盤まで離すイメージです。背中は気持ちよく伸びます。足の指に力がはいらないようにやるのがポイントです。

↑うしろ(背中)をひらく、腰を開く

(骨盤の後傾・・・こんにゃく体操やストレッチの基礎となる動きです)
ひざをほんのちょっと曲げて、おしりの骨(坐骨)を前方に落とすようにして骨盤をうしろに傾けます。背中側で肋骨と骨盤を離すイメージです。お尻の上の部分(こんにゃく体操ではソヘと呼んでいます)がゆるみます。足の指が持ち上がらないようにするのがポイントです。 ..

胸まわし(時計まわり)
胸郭(ろっ骨)を骨盤を中心に回します。地球のまわりをまわる太陽のように。

 

↑腰まわし (時計まわり)                                    

胸はおだやかに動かさないで、腰から下をぐるぐるまんべんなく回します。おなか回しではなくて腰回しです。腹筋運動にもなります。くびれもできます。

↑おしりおとし
自然にたった状態からお尻をかかとの上にストン!っとおっことします。そのままおしりとかかとをペタン!ペタン!とつきます。腰が伸びて気持ち良いです。


前おとし
立った状態で骨盤を前に傾けていき、そのまま骨盤を前に倒します。すると上半身も前にドシャーン!と落っこちます背中がほぐれて伸びます。ダイナミックな動きで体が目覚めます。ソヘがほぐれて、声もよくでるようになります。足に力をいれないことがポイントです。

 

 

↑ひざをちょっとまげて下から順々に起こす

前おとしの状態からひざを少しだけゆるめ(まげて)、すね・ひざ・もも・腰・せなか・むね・あたまの順で起こします。
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ぶーららん
両足に均等に体重をのせて立ち、腰を右回し、左回しと交互にクルッ、クルッ・・・。身体の中に軸ができます。バスタオルが動かなければ達人です。この体操ほど言葉で説明することがむずかしいものはありません。でも、これほどユニークで体が自然体になる体操もありません。ぜひ一度、お試しいただきたい体操です。
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↑ぶら上がり                                          

右手を前から振り上げ、左手は後ろから振り上げ、上で交叉してそれぞれ落っこちる。首の付け根や肩まわりをほぐすのに最適です。

 


 

●他にもたくさんあります。なんといっても全部で50種類くらい。おいおいご紹介します。
●肩立ち
●ペダルこぎ
●開脚で左右に体倒す
●あぐらで手を上にあげる
●ななめ前後をひらく
●横をひらく
●いーち、にー、さん、しー、いち。(斜め方面開く)
●1と2と3と4、ポーン
●お尻落としバウンド
●前おとし
●斜め前おとし
●横落とし
●座って前屈
●ぶらあがり
●ねんてん
●前横ほっとぶい
●大きいほっとぶい
●ひねってほっとぶい
●一歩出てパッ!
●開いてクロス
●足あげ
●右からいって左から右まで。
●いーちとにーとさーんとし
●ろばのうんこ
●バーレッスン
●横歩き
●歩く
●一歩出てひらーくー。